飾観屋本店 通信所(仮)

一次創作Blog オリジナル漫画やイラストなど。 今のところ一時保管な避難所。

人としての矜持(2)



※気まぐれに無一郎くんを描いたので画像をさしかえました(12/30)
結局原作読んでいって、21巻で「アッこの子好きだ…!!!」って頭抱えました。(好きだと気付いた瞬間がなんでそのタイミングなんですか?)(お察しください) 

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・・・と思いのほか前回の煉獄さんの感想が長くなってしまったので
記事をわけたいと思います 笑

創作の話なんですよ!一応!(そうか?)
劇場版鬼滅の刃と同時期に、私の人生の殿堂入り的作品「蒼穹のファフナー」最新作『TEHE BEYOND』の最新話の劇場先行公開がありまして、両方をみたうえで感じたことといいますが、そういう話をします。



※【ネタバレあり】相変わらずどちらの作品についてもネタバレ全開でしゃべりますので、これから見る予定で楽しみにしてる方などはご注意ください!






片やばりばりの少年漫画、方やSFロボットアニメ、
一見共通点なんて何もないような2作品ですが、
偶然にもどちらの作品にも敵から(ある意味で)よりよい未来のを拓くための道を示され、
【人として生きる】ことを選択するというシーンがあったんですよね。


鬼滅については言うまでもなくあかざ(にわかなので漢字が変換できない)に、怪我をしてもすぐに直る、いくらでも戦い続けられる、生き続け強さを磨ける存在となるために「鬼になれ」と誘われ、
人として生きて死ぬことの誇りと素晴らしさを語った煉獄さんのこと。
(めちゃめちゃ省略して書いたけどもっと良い事言ってました)


ファフナーの方は、敵であるフェストゥムと人間の融合体という「新人類」が誕生し、新しい人類が生き残るために古い島の人間たちは死んでくれと元人間だったマリスという青年がいうんですね。
それは未来ある若い世代を生かすために、確かに今のファフナーにおける世界環境ではこの先の人類が生き残るためには最善の選択であるようにも思えるんですよね。
ある意味で敵との調和をとれるという部分においても一理ある。

けれど司令官である真壁史彦はその提案を拒否して、あくまで「人間として」生きて戦うことをはっきりと伝え意思をつきつけました。
それはこれまでその信念のもとに戦い散って行った生命の重さを背負っているから。

マリスの提案を受け入れ滅びの道を選ぶことは、「この混乱した世界において、古き良き文化を尊び、かつての『日本』の姿を世界で唯一守り続けていく島」を根源にこれまで繋いできた命をないがしろにすることになるから。
(細かい話をすると島の若い世代はすでに遺伝子操作を受けて人工子宮で誕生してるので純人間とは言い難いのですが、マリスのいう新人類とはもう人ですらなくなってしまうので)



2つの作品の話を同じといっしょくたにしてしまうのは乱暴ですが、どちらも似たようなテーマではあります。
身体を強化して生き続ける、「生きる」ことに貪欲であるはずの「人間」への甘い誘い。
甘いというレベルではなくて、実際それは理に適っているともいえる、納得させられてしまう人間もいるであろう誘い。


けれど煉獄さんも史彦も、彼らがこだわるのは「人」として生き抜くことであり、「人」として死を迎えること。
人であることに拘り、戦い、その信念を最期まで揺るがすことなく貫いて散っていく。


ファフナーも鬼滅もそうなんだけど、自分が大人になったこともあり?最近敵側の矜持に対して「あ~わかる、そういう考えもあるよねうんうん」みたいに納得しかけてしまうところが多々あり、それをはねのける主人公側の人間たちの精神はすごいなと思ってしまいました。
どちら側の立場の話も、わかる、となる。


昔はどうしても「主人公側」の視点の印象が強い作品が多くて、そんな敵の言葉もあくまで【敵】の言葉なので「何言ってんだこいつ」となることが多々だったんですが、最近の作品は敵側のバックボーンも強く描かれることも多く、相互に感情移入ができるようになってきたなあと。
今回の2作品については、あかざもマリスも「元々は人間だった」わけで、「人間としての生に絶望した」経験があったからこそ「人間として生きることの愚かさ」を語れるキャラクターだったことも大きいですよね。説得力がある。

ただしどちらも否定のキーは「犠牲」を伴っていること。
「人の命」の重さと尊びを知って、大事にしている味方側は、やはりどうしても譲れない「人としての矜持」が強い軸としてあるからはねのけられる。
すごいね。強い。テーマを貫ける作品の強さでもある。
またこれのすごいことは、この真反対に強い信念がぶつかり合う思考合戦が「作者」という一人の人間から生み出されてることなんですよね。
作品に落とし込まれる思考は作者の視点や知識によって形成されるもので、
キャラクターの発言全てが「作者自身の考え方」ではないとしても、多角的な思考と視点を持って否定と肯定を繰り返せるってことで、これって作品を作ってキャラクターや世界を動かすうえで当たり前のことではあるけど、それが他人(見る人)の心を揺さぶるほどの振り幅になるものっていうのがすごいところだなと思う。
敵側に大きく引っ張られそうになった感情を主人公側がぐっと引き戻すことで作品のメリハリと揺さぶりが強くなる。
それは作品の魅力になる。すごい。
すごいなぁ。


もの作りをしてる人間として偉そうなことをいえるレベルではないんだけど、常にすごい作品のいいところを学びたい気持ちは持ち続けたいなという気持ち。
それをどう還元できるかが自分の実力すわ。


はーーーー面白い作品を作れるようになりたいな!

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